女子美術大学同窓会イタリア支部の設立から今日まで
女子美イタリア支部(略称)は、2008年3月「女子美ミラノ賞」支援を目的として、設立されました。
前年の4月、33年振りに卒業生の佐野ぬい先生が学長に就任され、私が同窓会長を引き受ける事になりました。その最初の仕事がイタリア支部の準備となったのです。
2000年の女子美パリ賞発足から10年目の2010年に「女子美ミラノ賞」を立ち上げたいと佐野学長と大村理事長から要請があり、同窓会として全面的に協力することになりました。2008年から2010年までの3年間に、1月から3ヶ月間2人ずつ、合計6人の学生がミラノへ留学しました。
そして、2010年からは毎年1年間研修できるようになりました。宿泊所は、卒業生の西尾和子さんの家具付きマンションを大学が借り上げ、年間の賃貸料は大学と同窓会が折半することで合意しました。交通の便も良く最上階のテラスからの眺めが素敵でした。またミラノで勉強する留学生のお世話は、マルペンサ空港到着から日本に帰国するまでイタリア支部が担いました。
デザイン都市ミラノには、60年代から湯崎夫沙子さんなど女子美生が留学していましたが、ローマ・フィレンツェ・ボローニャでも女子美の仲間が活躍していました。初代の支部長には野尻奈津子さんにお願いし、西尾和子さんが支部の会計担当になりました。また当初のメンバーは12人(故人の鳥羽郁世さんを含めて)から成り立ちます。
そして2010年をスタートに、ミリオーレ+セルベット建築事務所に1年間研修のミラノ賞受賞者がやってきました。2014年4月からは10名の女子美生のインターンシップが同事務所で実施され、3年間続きました。この間、同事務所で研修中のミラノ賞受賞者が、後輩の学生たちのワークショップを手伝ってくれました。2017年度からミラノ賞はブレラへ移りましたが、この10年間で約50名の女子美生がイタリア支部と交流しました。女子美を愛する客員教授のミリオーレ+セルベット建築事務所のマーラ・セルベット先生には、大変お世話になり感謝しきれません。
同窓会と大学の協同プロジェクトの「女子美ミラノ賞」は、イタリア支部の存在なしにはできなかったと思います。
2017年11月に同窓会イタリア支部(代表:野尻奈津子)は、女子美大村特別賞を授与されました。授賞式には、野尻支部長の代理として、ミラノ賞受賞者、宮園、小林、春草さんの3人が喜んで出席しました。
これからの10年先を目指して、女子美イタリア支部がイタリアと日本を結ぶ、楽しくて有意義な会になることを期待しています。
2018年7月
女子美同窓会イタリア支部設立発起人代表
佐藤和子